「天使のたまご」は何なのか。

「天使のたまご」とは。

What is "Angel's Egg" ?
DVD「天使のたまご」
「天使のたまご」DVD, 発売元 : Pioneer LDC

「天使のたまご」とは押井守が1985年にOVA(Original Video Animation)で発表したアニメーション作品である。1984年に押井守が監督した「うる星やつら 2 / ビューティフルドリーマー」が発表され、それは当時の「うる星やつら」の社会的位置付けからも、「うる星やつら」のファンから見ても非常に微妙な位置付けに存在する作品だったと思える(押井守ファンにとっては素晴らしい作品としての位置付けを誇っているだろうが)。押井守が「うる星やつら」の制作を行ったタツノコプロから出てフリーになり、最初に作られた作品が「天使のたまご」である。

この75分の作品の末尾を彩るスタッフロールを見ていると、錚々たる面々が名前を連ねている事が分かる。「ファイナル・ファンタジー」シリーズ(あるいは人によっては「タイムボカン」)などのキャラクターデザインで有名な天野喜孝スタジオジブリで様々な作品の作画監督を務め、2003年夏には「茄子 アンダルシアの夏」を監督した高坂希太郎や、「オネアミスの翼」「新世紀エヴァンゲリオン」のキャラクターデザインで知られる貞本義行、ジブリで色彩設定を長年つとめる保田道世、そしてスタッフロールには現れないがスタジオジブリ代表の鈴木敏夫もこの作品をプロデュースした一人である。こういった(現在の視点から見た)スタッフの豪華さの一方で、この作品の評価は非常に曖昧なものとなっている。例えばamazon.co.jpにはDVD NAVIGATORデータベースからの引用文として「押井守が放つSFハードメルヘン」との一文がある。カスタマーレビューでも「芸術的」「大人のファンタジー」といったよくわからない(意図をはかりかねる)文言が並んでいる。押井守監督作品に関する膨大な資料で有名な「野良犬の塒」でもこの作品を「芸術映画」として括り、それ以上の解釈をしていない。多くの人やメディアがこの作品についての具体的な解釈を行わないのは、この作品に関する解釈を行う事が、むしろこの作品を下らないものにしてしまうからかもしれない。

しかしこの作品を読み解いていくと、この作品が実に押井守監督らしい作品であり、「うる星やつら 2」に引き続き、現実と虚構の対峙を描いた作品である事が分かる。僕は「日本のアニメで一番好きな作品は何ですか?」と問われるなら、確実に「天使のたまご」を挙げる(一番好き、と言ってしまう作品は実は形を変えていろいろあるのだが)。そのように挙げるだけあって、この作品を繰り返し鑑賞した回数は計り知れない。多くの人間にとって睡眠薬的効果すら与えるこの作品を人一倍愛する僕はここで、ウェブ上に殆ど存在しない「天使のたまご」についての、ある一つの視点からの解釈を述べる事にする。

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T.O.C.

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